2017年02月21日

NO MUSIC,NO MACHINE

織田氏は音楽マンである。
音楽なしに生きている時間など皆無と言っていい。
ギターを弾き、音楽を聴き続ける男である。

だから、音周りは、ちょくちょくお願いをする。
稽古中の音出しであったり、音響仕込みの手伝いなどなどだ。

だが、しかし。
いつも、ガッカリするのでR。

なぜかって?
音楽マンなのに、異常に機械に弱いのである。
エレキギターに繋ぐコンパクトエフェクターというのがあるのだけれども。
つまみを回して、音色をいじって、スイッチを踏み込むと、ギターの音がシャリンとしたりするやつだ。
あれですら、ツマミが2つあるだけで、わけがわからねぇ!と独り言を言いだすのでR。
おいらからすれば、何がわからないのかすらわからないのだ。

だから、大抵、エレキギターをセッティングすると、音が出ない。
必ずと言っていいほど、どこかの配線を間違っている。
基本OUTからINなのだから、間違えるはずがないのに、絶対に間違える。
ほんの15cmのケーブルの配線を逆につけることもしばしばである。
ちなみに、バックドロップスの公演で音響をやった時に。
当たり前のようにアンプINからスピーカーに繋いでいて、音が出ないと騒いでいた。
出るわけがない。
アンプOUTから、スピーカーINなのは、絶対に、その辺のお兄ちゃんですらわかるのに。
なぜ、音が出るスピーカーからINに繋ぐのか、未だに、おいらなんかは、よくわからないままである。

音響で使う電源はそこまで大きくないけれど。
プリアンプ以降は、電圧も上がるので、怖いからやめてください。

おかげさまで、ミキサーなんて、何が何だかわからないのでR。
なんかよくわからないけれど、ミキサーをみるだけで。
「やべえ!恐怖のセンドリターンあるかも!」と騒ぎだす。
センドリターンの何が恐怖なんだかさっぱりわからないけれど、恐怖らしい。
小さめの劇場だと、大抵はマッキーの16xxのどれかのヴァージョンだから、慣れそうなものだけど。
だって、リハーサルスタジオのミキサーもこれだからね、大抵。
眺めるだけで、何一ついじらないまま、オノデラーーー!と叫びだす。
この間の舞台も、音響を思い切って、生ピアノにしたんだけれど。
とは言え、ピアノ音を外部スピーカーから出したいとのデビさんの要求があり。
結局、音響卓を使用することになったわけなのだけれど。
織田氏は、一切、使い物にならなかった。
これじゃね?って触る場所が、全部、全然関係ない所でイライラした。

じゃあ、中野圭に頼めるのか。高橋15号なら。あるいは金子さんに?
ああ、知っている。
そもそも、その機材の配線以前に、アンプってなんのためにあるの?な人たちである。
多分、機材の説明をすれば織田氏よりはすんなり行くのかもしれないけれど。
機材の説明からしなくてはいけないという、めんどくささがある。
スイッチ入れりゃいんじゃねぇの?な人たちに、いちいち、電源周りから説明するなどありえない。
じゃあ、女子はと言えば、女子で配線周りを理解できる人間など見たことがない。
ちなみに、前述のアンプINにスピーカーを繋いでいた織田氏の隣にはたしかアルリンがいた。
おいらは、その時にわかった。
ああ、プレーヤーとミキサーとアンプとの関係性そのものから説明しないといかんのだと。
いや、織田氏はわかっていながら出来ないのだけれど。

そんな織田氏にここ最近では一番の試練がやってきたのである。

アフレコ。アフターレコーディング。
稽古場にある一室をスタジオに見立てて、自分たちでブースもコンソールも組み立てていった。
音響特性など、驚くほど、反響音を抑え、かつ、ブースとコンソール部分を分離して。
デビッドさんが、音に集中できるようなモニタ環境まで作ったという。
ちょっとだけ、豪華な宅録環境みたいな感じでうまく組み上げたのだけれど。
まぁ、もちろん、配線関係は、全部、小野寺さんがやっておいたので問題なかったのだけれど。
そして、すんなり、レコーディングも進んでいたのだけれど。

織田氏は、さすがにレコーディング経験者だけあって、細かい手助けをしてくれる。
演者のマイクの高さを調節し、ヘッドフォンの音量などの調整もしてくれる。
変な音が鳴ってないかの確認もしてくれる。
段取りなんかも、細かくチェックしてくれる。
こと、電気周りじゃなかったら、やはり音楽マンだけに、色々わかっているのだ。

だがしかし。
危険な問題がやってくる。
それは、小野寺さんの声の収録である。
まぁ、一言とかなら、もうあきらめたり、家でやってみたり、他の手段もあるのだけれど。
完全にアフレコ前提のシーンがあって、シーン丸ごとアフレコなのである。
ここを収録しておかないと、まったくセリフのないシーンになっちゃうのだ。
自分の声は後回しと考えてはいたけれど、まぁ、ここだけはしょうがない。

しかしだ。
じゃあ、だれが録音するかである。
まぁ、PCを持ってブースに入って。
自分で操作して、声を入れればいいんだけどね。
宅録で、自分の歌を録音するなんてよくある風景だし。
でも、もうスタジオを組んじゃっていて、PCをブースに持ち込むとなると配線しなおしになる。
それはそれで、異常に面倒なわけだ。時間の無駄だ。
そうなると、織田氏。君しかいないんだよ。君だけなのだよ。

だからね。
すっごく簡単にしておいたのである。
マイクのアイコンにマウスポインタを入れて、左クリック。
それだけで、録音が始まるようにしてあるのである。
まぁ、それだけなら誰にでも頼めるけれど。
ヘッドフォンをつけて、音が割れてたりしたらすぐに気づくとしたらやっぱり織田氏だ。
だのに。
その左クリックに、大騒ぎである。
なんだったら、その前に収録した音声にオーバー録音しやがって、セリフ一個消しかけるし。
へんなとこクリックして、表示を切り替えちゃって、大慌てするし。
なぜ、そんなことになっちゃうのか、まぢで、教えてほしい。教えてください。

しかしだ。
今日、書きたいのは、そんな織田氏のことじゃないんだ。
その隣にいたデビッドさんのことだ。
考えてみれば、この人も音楽マンだし、なんだったらDJまでやってたんだから。
ミキサーだってなんだって、触ってたはずである。
ってか、確か家にミキサーあったしね。
リハーサルスタジオではミキサーのEQとかクネクネ回してるしね。
絶対に織田氏より、なんだったら、小野寺さんより、出来ると思うのね。

でも、やらない。
触らない。
それどころか。

なんか知らないけど、指さして笑ってるのね。
そういえば、編集作業も、見てるんだけど。
絶対に覚えようとしない。
ひょっとして、この人、編集ソフトだの音楽ソフトだの覚えたら、すごいんじゃね?って思ったんだけど。
で、どう考えても、それを覚えて操作するぐらい出来るはずなのだけれど。
だって、ペンと紙があれば、何かを生みだせる人だしね。
それがペン以上に楽器以上にカメラ以上に何かを作り出せる道具があるのに。
まぁ、台本はさすがに、ペンじゃなくなったけれど。
なぜか、指さして笑って終わるという。

織田氏は。
そんな音楽マンデビッドさんの横で笑われながら。
左クリックひとつに、脂汗を流し続けたわけです。
ああ、思い出したよ。
織田氏が、音響をやったいつかの公演を。
あの時も、織田氏が汗をかいて、隣で、デビッドさんが笑ってたよ。

織田さんよ。
あの後のデビッドさんは、声を録音する俳優たちに。
「うん。30点!オッケー」
って言っては慌てる俳優の声をヘッドフォンで聴いて一人で笑い続けていたよ。
ほぼ全員に30点って言ってたからね。
まぁ、あそこまで機械に弱いのはどうかと思うけれど。
自分のギターの音を出せないのもどうかと思うけれど。
それほど、気にしないでいいよ。

そんなわけで。
音楽マンは、あまり、信用してはいけない。
この人たちは、結局、感性だけを頼りにしているのだけは忘れてはいかん。
posted by 前方公演墳 at 03:32| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 小野寺隆一の前墳本当にあった事件 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月14日

とても人には見せられないヤツ

まぢか・・・。
やりたいことがあったのに、いつの間にか気絶したように寝てた。
身体が冷たくなってるじゃないか。

わんばんこ。月曜担当の小野寺さんです。

今日は様々な連絡が飛び交って、色々、調整とかしていて、こんな状況です。
いえーい。

さていつの時も、どんな時も、稽古場にわらわらと集まってきます。
ここの連中は。
まぁ、もちろん、やることがある時は良いんですけれども。
やることが、特別決まってないこともあります。

公演が終わって次の週の反省会。
おいらは、大抵、色々反省が出尽くした頃に確認するんですよ。
で、来週からなんの稽古する?
つって。
まぁ、すぐにその次の公演の稽古がすんなり始まるならいいんですけどね。
とりあえず、次回公演の台本はまだ手を付けられないよなんて時期もあるわけですよ。
そうなると、え?来週、じゃぁ、どうすんのよ!?
なんて、大抵なるわけですよ。

で、今までも、結構そういう時期はありましてね。
まぁ、色々やりましたよ。
なんか、よくわからないけど、踊り続けたり。
エグザイルかっていうね。
終わったばかりの公演を、もう一回やってみっかぁとかね。
すっげぇ、ゆるい芝居になって、まぁ、面白いんですけどね。
舞台に立った緊張感を、一旦ほぐして、もう一度再構築するような時間なのかもしれないですな。
無駄な時間だ!なんていう人も昔はいた気がしますが。
最近は、その無駄の中に、たくさんのアイデアの種があることに気づき始めてます。
あれ?この緩い感じの中に、なんか、みたことないキャラクター出たなぁ?みたいな。

そんな時期ですから。
そんな稽古をしますよね。

とりあえず、まぁ、あの、やったことのない台本っていうのもあるにはあるんですよ。
それを皆でやりましたよね。
まぁ、やり始めるのになぜか2時間もかかるんですけどね。
本当にやるのかよぉ〜とか、ぐずったりするので。
でも、それもコミコミな気がします。
コミコミで、やるっていう稽古なんですよ、これは。
そこで出来上がるんですね。んじゃやっかぁ!的な変な空気感が。
で、キャスティングとかめんどくさいじゃないですか。
誰がどれをやろう!とか言ってるうちに、時間ばっか流れていくので。
なるべくやりたくない側の人間の思うつぼになりかねないわけです。

そんなわけで、めんどくさいから、回そう!と。
回すってなんだよ?って思いますよね。思うにきまってますよね。
えっとですね。台本上に出てきた人物を演じるわけです。
その次に出てきた登場人物はその人の右に座ってた役者が演じるわけです。
そうやって、次から次へと登場する人物を、稽古場に座っている位置関係だけで、ぐるり一周演じていきます。
当たりはずれがありまして、なぜか、一周しても最初からずっと演じてる役とかもありますし。
何週回っても、何か知らないけど、毎回同じ役になる人もいます。
どういうわけか、毎回、性別の違う役を演じなければいけない役者もいます。
一言だけ喋っていなくなる役を、何度も引いたりすることもあります。
これは、稽古になっているのか?と思いがちですが。
なっています。確実に。
役は完全に偶然なのですけど、偶然が生み出す面白さもいっぱいあるわけでして。
ああ、こいつって、馬鹿にされると、面白かったんだなぁとか発見もあったり。

なんていうかなぁ。
心が鍛えられるっていうかなぁ。
やれ→やる
になるっていうかなぁ。
この、なんていうか、役者であるという確認のような稽古。

やればやるほど。
なんか。

おいらたちって、泥沼にはまってるんじゃねぇか?

とか思いますけどね。
そんなのは気のせいだろうと思うようにしてますけどね。

まぁ、フリーの俳優なんかは到底出来ない稽古です。
芝居っていうのは豊かなものでして。
一人でストイックに考えるほど、そういう豊かな幅を失うものです。
自分で、広く広く豊かな芝居を育むとすれば、結構大変なんですよ、実際。
自分以外の発想や、方法を観るだけでも、何かは蓄積されているので。
されていると思い込みたいので。

そんなわけですので。

来週は、稽古しないで、別のことをすることにしました。
posted by 前方公演墳 at 04:12| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 小野寺隆一の前墳本当にあった事件 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月06日

たった二日ですけど、お邪魔しました。

わがままでちっちゃい女の子と、時々怒って怖いパパが、夏の夜の浜辺を歩いていました。

静かな波の音。
頬をなでていく、潮風。
歩くと少しだけ沈む砂浜。
満天の夜空。

ちっちゃな女の子はお空を指さして、パパに言いました。
「ねぇ、パパ。あのおほしさま、ちょうだい」
「おててに、のせて。ぱぱ。」

パパは少し困った顔をしてから、ゆっくりと海辺に向かいました。
「海をすくってごらん。冷たくて気持ちがいいよ」
ちっちゃな女の子は、波が寄せた瞬間にお手てを沈めて、海をすくいました。
手には小さな水たまりが出来ました。

パパが言いました。
「よく見てごらん」

ちっちゃな女の子は水たまりを覗きました。
水たまりには、満点の夜空が映っていました。
「パパ、おててにおほしさまが、あるよ」

パパは言いました。
「いいかい?出来なさそうなこと、難しそうなこと、諦めそうなこと
 これから、何度も何度もあると思うよ。
 でもね。君は、お星さまをお手てに乗せたんだ。
 いいかい?君に出来ないことなんて何もないんだよ」



いつも、千秋楽の次の日に、サティコがお客様をMVPに選んで、そのあと、おいらがお礼のBLOGを書きます。
そして、次の週の反省会の次の日に、サティコが金子さんをMVPに選んで、おいらは反省会顛末を書きます。
でも、今回は、千秋楽が日曜ではなく火曜だったせいか、千秋楽の後初めてのBLOGが、なんと、反省会の次の日です。
どうしろっていうんだ・・・と、はたと考えました。

こんばんわ。月曜担当のグラッチェです。
たった二日ですけど、お邪魔しました。

もうお分かりのことと存じますが、小野寺さんのあだ名のデラッチをもじって、グラッチェという役名でした。
ただ、まぁ、おいらが演じていた役は、別においらがモデルではないです。
っていうか、むしろ、本人モデルの役を演じていた役者のほうが少ないです。
確か、愛ちゃんだけが、かなり実像に近かったと思います。

「声はきこえているか」以来の公演でした。
約一年。
皆様の前に立てていなかったのです。
一年前の公演のカーテンコールで、クラウドファンディングのご協力をお願いしたのがまるで大昔です。
お芝居はしていたんですけれども、皆様に見せる機会がなかったのです。
その代わり、きっと、映画公開の年は、公演回数+映画になるので、行って来いになる年が必ず来る予定です。

今回の公演でも色々ありまして。
一番の好きだったのは、個人的に照明だったのですけれども。
だって、役者に当たってるのは作業灯で、照明は壁に向かっちゃってるっていうね。
もう、従来の舞台照明からすれば、ウルトラ反則ものの、セットだったわけです。

あんまり久しぶりだから忘れられちゃってるんじゃないかなって心配でしたけど。
何も心配はいらず、いつものように、おいらたちの作る世界に、自然に皆様が馴染んでおりました。
ああ、ホーム。ここはホーム。マイホームタウン。

そんなわけで、皆様、本当にありがとうございました。
相変わらずだったでしょう?
本公演じゃないけど、真公演だったでしょう?

おいらたちは、まだまだ、こんなこと、続けてやろうと思います。
殆どストーリーらしきストーリーのない作品でしたけど。

かすかなストーリーが皆様には見えたでしょうか。
それは、手の平に星を掴もうとするような。
そんな、小さな物語でした。

6月公演は、もっと、くだらなくなるように、誠心誠意頑張るっす!!


いいかい?



posted by 前方公演墳 at 21:08| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 小野寺隆一の前墳本当にあった事件 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする